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顎顔面インプラント学会に参加しました

顎顔面インプラント学会に参加しました


少し前になりますが、福岡国際会議場で開催された第28回日本顎顔面インプラント学会 総会/学術大会に参加し、「歯科インプラントサージカルガイド」についての発表を共同演者として行いました。

興味深かった話題としては、ニュースなどでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、世界初の「歯生え薬」の開発者である高橋先生のご講演でした。通常、人間では永久歯の後には新しい歯は生えてきませんが、実はミクロレベルでは歯の卵が眠っているそうです。このお薬はこの眠っている歯の卵を刺激して新たな歯を形成させるとのこと。2024年11月には生まれつき永久歯のない無歯症で健康な男性成人の方を対象にした臨床試験で、投与が行われ、今のところ問題なく経過しているとのことでした。

現在、無歯症の方やむし歯などで歯を失った方には、入れ歯やブリッジ、歯科インプラントなどで機能回復をしていますが、天然の歯が生えてきて咬めるようになったら素晴らしいですよね。2030年に無歯症の方への実用化を目指されているそうで、今後も注目です。

一部では、インプラントの代わりになるというようなことも言われておりますが、高橋先生のお話ではまだまだそういうわけにはいかないということでした。むし歯や歯周病などで歯をなくされた方にこのお薬の実用化はさらに先になりそうなので、歯を失わないようにやはり日頃からのセルフケアと歯科医院でのメインテナンスが大事ですね!

杉山 健太郎

執筆者

杉山デンタルクリニック 院長

杉山 健太郎

東京歯科大学卒業後、杉山デンタルクリニックの院長となる。
日本口腔外科学会認定口腔外科専門医で、臨床研修指導歯科医師の資格も保有。多くの病院で口腔外科疾患やインプラント治療に従事し、患者さん一人ひとりにあった治療計画を提案しつつ、患者さんのQOL向上を目指す。